デザイナーが取り組むべき「多店舗展開」の事前準備~画像ファイル管理編~
こんにちは、エモロジのデザイナーです。
今回は、「デザイナー編」といたしまして、ネットショップを多店舗展開するにあたっての画像ファイルの管理(画像管理)について、考えていきたいと思います。
ネットショップの多店舗展開の拠点は、Yahooショッピングで決まり!
Yahoo!ショッピングは画像ファイル管理において非常に有用なショッピングモールです。
複数モールを運営している場合は、必ずと言っていいほど話題に挙げられるYahooショッピング。
他のモールと比べて出店料や手数料が安い、他のモールでは有料のCSVが無料で扱える…など、参入する敷居が低い割に、多機能で使いやすいショッピングモールです。
「今は楽天の出店のみで、多店舗展開は考えていないよ」
という方についても、Yahooショッピングだけは検討の余地があると考えております。
画像URLから見る、Yahooショッピングのメリット
・CSVでの商品管理に適している。
・多店舗展開の基軸として優秀
・画像URLの管理がしやすい
⇒今回は複数モール展開のための、画像URL管理について考えていきます。
多店舗展開を検討したときには遅かった。楽天でやりがちな失敗……
楽天だけ出店している店舗さんの場合、キャビネット(画像管理)において商品のジャンル・品番毎にフォルダを細かく作って管理している方を多くお見掛けします。
おそらくこれは経営・営業目線での販売戦略都合で考えると、自然とこの構成となりがちなのだと予想しています。
このフォルダを細分化する場合のメリットは、
①品番での画像管理がしやすい
②時間が経っても画像を検索しやすい など。
しかしながら、楽天の場合はフォルダ毎に画像URLが異なるため、フォルダを細分化して管理していると画像ファイル毎にURLが飛び散ってしまい、複雑化し、いざ多店舗展開を検討し始めるころにはデータ移行が非常に困難になってしまうというリスクが存在しています。
また、楽天にアップロードした画像は7~8割がWebpという画像形式変換されてしまうため、容易に取り出すことが出来ません。
以前作った画像も、フォルダや画像がPC内の至る所に散らばり収集困難になってしまい、楽天からYahooへの移行代行に、仕方なく追加料金をモールや外注に支払って余計な出費を強いられている姿をよくお見掛け致します。
実はこんな悲しい事件を防いでくれるのが、Yahoo!ショッピングをベースとしたモール展開方法なのです。
※なお、cabinetの基本フォルダに格納できる画像枚数は5,000枚です。より多くの画像を利用する場合はフォルダの作成が必要となります。(詳細)
なぜYahoo!ショッピングは他のモールに比べて画像管理がしやすいのか?
Yahooショッピングは、画像フォルダの仕様が他のモールと比べて特殊なため、多店舗展開を考えていない時期に登録を行っていても自然と安全にデータ管理ができる可能性が高くなっています。
ヤフーショッピングは画像のURLが2種類しかない!
Yahooの場合、システム内の画像フォルダ分けを細かく行ってしまった場合でも、
・サムネイル用の第一画像のURL
https://item-shopping.c.yimg.jp/i/l/ストアアカウント_商品コード
・それ以外の追加画像のURL
https://shopping.c.yimg.jp/lib/ストアアカウント/画像ファイル名.拡張子
この2種類にしか画像のURLの割り当てが発生しません。
※たとえば、エモロジというアカウントで、exsampleという品番のファイルに画像を登録する場合は、以下のようになります。
■サムネ⇒https://item-shopping.c.yimg.jp/i/l/echowk_exsample
■その他⇒https://shopping.c.yimg.jp/lib/echowk/exsample.jpg
もっと言ってしまうと、サムネ用のURLは「横スライド画像」にしか使用できない※ため、結局使えるURLは1つだけとなっています。
※実際はYahoo内では使えますが、多店舗展開上では邪魔となるため「使えない」ものとして扱っています。
構造が容易であるため、画像のURLを管理する上では事故が起こりづらく大変便利なのです。この嬉しい仕様がYahoo!ショッピングの魅力となっています。
また画像のURL管理以外でも、CSVの利用が無料のため、画像管理だけでなく商品情報の管理からカテゴリ管理…HTMLの管理など、さまざまな情報を集約することが出来るという意味でも、Yahooショッピングは店舗にとって非常に都合が良いモールとなっています。
ネットショップ・画像管理のための「早見表」
多店舗モール展開で必要と思われる画像の定義について、早見表をご用意いたしました。
Yahoo!ショッピング | 楽天市場 | auPAYマーケット | amazon | Qoo10 | |
登録できる画像の 最大サイズ(px) | 1250×1250 (px) | 3840×3840 (px) | 仕様不明 ※10000pxでも 登録可能 | 10000×10000(px) ※ズーム機能を使う 場合は、一辺が 1600px以上必要 | 仕様不明 ※10000pxでも 登録可能 |
横スライド画像に 登録できる枚数 | 21枚 | 20枚 | 20枚 | 6枚(8枚) | 10枚 |
画像URLの変更 | × | 〇 | 〇 | × | 〇 |
外部URL | × | × | △ ※独自ドメインのみ | △ ※csv利用時に利用可能 | 〇 |
早見表を用いて、1つずつ見ていきましょう。
ショッピングモール毎の画像URLについて
ヤフーショッピングの画像登録を行う際には、フォルダを細分化してもURLは1つになることが分かりました。
このYahooのURL構造に合わせて多店舗展開しやすいように画像ファイルの管理をしていきましょう。
楽天市場の場合
楽天の画像は、キャビネットと呼ばれる画像管理画面から画像を登録していきます。
・基本フォルダURL
https://image.rakuten.co.jp/店舗ID/cabinet/画像ファイル名.拡張子
・フォルダを作成した場合のURL
https://image.rakuten.co.jp/店舗ID/cabinet/自動採番・任意の文字列/画像ファイル名.拡張子
初期設定では基本フォルダのみが用意されていて、自分でフォルダを増やすことが出来ます。
おおよそ99フォルダまでは増やせるようです。(プランにより異なります。)
今回はYahoo!ショッピングのURLに合わせる目的のため、原則として基本フォルダにのみ画像を登録をしていきます。
ただし、再利用したり細かな運用が求められるバナーなどの画像ファイルは、別途フォルダを作成して管理しても良いと思います。
幾つか分けて運用したいと考えたとしても、使うURLは2つまでとした方が後々の管理がしやすく大変便利です。
ここまで画像管理用のキャビネットを使用し、基本フォルダを使用するように記載してまいりましたが、実は基本フォルダ(=cabinet/)に登録可能な画像枚数は5000枚が限度となります。そのため、より多くの画像を使用する場合はフォルダの作成が必要となります。
基本フォルダ以外の任意で作成したフォルダ(cabinet/xxx/)の場合、画像の1フォルダ毎の登録可能数はプランによって異なり、最低500枚~上位プラン2,000枚と限りがあるため、取り扱う商品が多い場合はフォルダ数が増えてしまうのが難点です。
そのため、画像登録用として用意されたキャビネットを使用せず、初めから楽天GOLDを使用するという手段も考えられます。
他サイトの記事では、積極的に楽天GOLDへの画像格納をオススメしている記事が多く存在します。多くは当記事と同じ考え方で、URLを統一することや画像ファイルの保全を目的としています。
しかし楽天は画像登録のみの楽天GOLD利用を推奨しておらず、せっかく登録した画像も規約変更により削除されてしまう恐れがあります。
以上のリスクの観点から、本記事ではキャビネットの利用を推奨としています。
auPAYマーケットの場合
画像管理を使う場合は、店舗7桁のIDがURLになります。
同様にYahooに合わせて構造を考えた場合は、楽天と同様に1URLまたはフォルダを一つ増やして、2URLの管理が適切でしょう。
・登録ディレクトリ(初期値)
https://image.wowma.jp/店舗ID/画像ファイル名.拡張子
・フォルダを作成した場合のURL
https://image.wowma.jp/店舗ID/任意の文字列/画像ファイル名.拡張子
またあまり知られていませんが、auPAYマーケットでは独自ドメインに限り、外部画像のURLを指定することが出来ます。
そのため自社サイトをお持ちの場合は、FFFTPなどのアップロードソフトを使用して自社ドメインに画像を集約し、auPAY上では外部URLを指定して表示するという方法が使えます。
Yahooに登録した画像のバックアップも兼ねて「ついでに自社サイトに保管していく」運用をする。
ネットショップの立ち上げを新規で考えている場合は、この方法が最もスマートになります。
このように登録する商品数が増えれば増えるほど、後々の画像管理が非常に煩わしくなります。
都度必要なファイルをフォルダに取りに行くのは大変面倒ですので、自社ドメインを画像倉庫として利用する・一度使った画像はついでに一カ所に保存しておくという意識づけ運用をオススメしております。
Amazonの場合
大口出品の場合は、CSVを利用して商品を登録することが可能になりますが、実はこの場合もYahooショッピングからダウンロードしたCSVデータを加工してデータを作成→登録する方法が、最も効率が良くなります。
Yahoo!ショッピングに出店していない場合で、楽天限定で運営されている場合でも「CSVオプションを契約してデータを取得された方が絶対に良い!」と言ってしまうほど、アマゾンでの登録作業は非常にコストがかかってしまう作業となります。そのため、無料でCSVを使用できるyahooを基準としておくことで後々のコストカットに繋がります。
また、アマゾンについては、他のモールで言う所のサムネイルにあたる部分しか画像を登録する方法がありません。
根本的に画像フォルダという概念がなく、また登録書式も一定で自由が利かないため「あまり考える必要がない…」と考えがちですが、実際はCSVを利用して登録する場合は、外部URLから画像を引っ張ってきて一括で登録することが出来ます。
auPAYマーケット同様に、自社サイトをお持ちの方は画像のバックアップを自社サーバーにとっておく。
この運用が至る所で活躍すること間違いありません。
Qoo10の場合
Qoo10の場合も、外部画像を指定して読み込めます。
アマゾンやauと同様に、自社サイト・自社ドメインに登録している画像をそのまま利用するのが最もスマートではないでしょうか?
多店舗展開でも、いくつかのパターンに分類して効率を高めましょう
このように複数にまたがってモールを管理する上で、画像URLの管理はモール毎に登録ルールや構造に似通った点が幾つもあります。
・画像URLはなるべく1つになるよう管理する
・Web上に画像のバックアップURLを用意する
最低限、この2点を念頭に置いて「Yahoo!ショッピングを基準に運用する」ことが、最も多店舗経営を容易に展開していくカギとなります。
効率を追い求めすぎない方がよいことも
この方法は間違いなく効率的なのですが……厳しく他人にルールを課してしまうと、販売戦略や施策など「実際に売上を考えておられる方々」にとっては、非常に管理しづらく、使いにくいものになってしまう恐れがあります。
勿論、今はまだ多店舗展開を考えていなくても、早期に「多店舗展開に対応する環境を整える」ことはリスク回避・コスト削減につながる大切な心構えになります。
しかし、効率を重視過ぎるあまりに「同僚のひんしゅく」を買っては元も子もありません。
画像の登録計画については、事前に社内の営業・企画・スタッフに協力を仰いで、どのような店舗展開をしていくか話し合った上で、みんなが納得した方法で進めるようにしましょう。
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